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『グランツーリスモ』はスポーツだ! “ドリキン”土屋圭市氏も太鼓判を押した 「東京モーターフェス2018」e-Circuitレポート

『グランツーリスモ』はスポーツだ! “ドリキン”土屋圭市氏も太鼓判を押した 「東京モーターフェス2018」e-Circuitレポート

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2018/11/25 (日) iid編集部

10月6日から8日にかけて、東京・お台場の第一特設会場、第二特設会場、センタープロムナード、MEGA WEBにて一般社団法人 日本自動車工業会が主催する「東京モーターフェス2018」が開催された。同法人によるクルマとバイク好きのためのお祭り「東京モーターショー」が"開催されない年"に開かれるイベントとして定着している「モーターフェス」はこれが平成最後の開催。それもあってか、テーマも「平成」となっている。華々しいバブル期を含むこれまでの28年を振り返り、この先に続く未来を見据えてもらおうという狙いだ。

 

それでは若い世代は楽しめないのでは? というとそんなことはない。会期中、MEGA WEBライドスタジオでは特設会場となる「e-Circuit」が設置され、PlayStation 4用ソフト『グランツーリスモSPORT』を使用したe-Motor Sports――モータースポーツのゲームで行うesports――を楽しめるプログラムが多数用意された。

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e-Circuit」では、専用の筐体で、実車さながらの走行が楽しめる「TRY!GRAN TURISMO」、一般来場客同士でエキシビジョンレースを楽しめる「e-Circuit Trial Race」が常設されたほか、6日から7日にかけては「FIA グランツーリスモ チャンピオンシップ 2018 ネイションズカップ アジア・オセアニア選手権」の決勝戦も開催された。

 

選手権の実況は、実際のレースでのアナウンサー経験を持つシャーリー半田氏が務め、解説は元レースドライバーにして、ARTA(AUTOBACS RACING TEAM AGURI)エグゼクティブアドバイザーの土屋圭市氏が担当。日本、オーストラリア、アジア・オセアニアの3地域を勝ち上がってきた選手たちによる正確無比なコース取りが光るレース展開も相まって、大会の様子は実車のレースさながらの緊張感。実車のセオリーを押さえた走行や、試合後に汗だくになっている選手たちを目の当たりにした土屋氏は「『グランツーリスモ』はまさに(モーター)スポーツだ!」と瞳を輝かせた。

 

 

クルマ好きで知られる芸能人が『グランツーリスモ』で首都高を爆走!

 

東京モーターフェス2018」最終日となる8日には、esportsキャスターの平岩康佑氏がMCを務めるトークショー「グランツーリスモSPORT「これがe-Motor Sportsだ!」」が開催。お笑いコンビ「千原兄弟」の千原ジュニアさん、「FUJIWARA」の原西孝幸さん、元プロサッカー選手の大黒将志さんらクルマ好きで知られる著名人が登壇し、トークを繰り広げた。

 

シボレーのアストロやトレイルブレイザーなど、アメ車を特に好むという千原ジュニアさんは、車検整備費用の高さなどから家族の反対にあってしまい、今はアウディに乗っているというエピソードを披露。バイク好きでも知られる原西さんは仕事での外出はクルマ、プライベートはバイクという独自の使い分けをしていると話し、大黒さんはガンバ大阪在籍時代に"スピード狂の先輩"から洗礼を受けたのがクルマ好きの始まりで、スポーツカーを色々と乗り継いでいると語った。

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「技術の進歩でゲームと現実の境目がどんどん曖昧になっている」という話題に及ぶと、原西さんは「(『グランツーリスモ』を)久しぶりに遊ぼうと思ったら、マネージャーがPlayStation 4とソフトに加え、ハンドルコントローラーなども入ったセットを大きな箱で持ってきた。プレイするのはPlayStation 2をコントローラーで遊んで以来だったので、操作の感覚が全然違ってビックリ」というエピソードを披露し『グランツーリスモSPORT』のリアルさを絶賛した。

 

ここでスペシャルアドバイザーとして、元レーシングドライバーの脇坂寿一氏と、同作のプロデューサーを務める山内一典氏が登壇。ゲストの3名が『グランツーリスモSPORT』でのさらなるドライビングテクニックを身に着けるためのアドバイスを求められると、脇坂氏は「お笑い界やプロサッカー界で戦いを勝ち抜いてこられた方たちに言えることは何もない」といきなりの太鼓判。山内氏は「ご自身の愛車で走るようにプレイするといいと思います」とアドバイスを送った。

 

練習走行を終えると、千原ジュニアさんはGT-R GT3、原西さんはATENZA、大黒さんはNSXを選択して、首都高をモチーフにしたコースでレーススタート。山内氏のアドバイスが功を奏したのか、それとも脇坂氏の言う通りアドバイスなど不要だったのか、大きなミスをすることもなく3台は白熱のレースを展開。ところが、原西さんのATENZAがトップを走る千原ジュニアさんのGT-R GT3を捉え、その後ろから大黒さんのNSXが迫る……という曲面で、残念ながら大黒さんに機材トラブルが発生。千原ジュニアさんと原西さんの一騎打ちとなり、原西さんの勝利で幕を閉じた。

 

レースを見届けた山内氏は「まっすぐ走らせるだけでもそれなりに大変なのに、トークをしながら狭い首都高であれだけの走りができるのはすごいです」と語り、脇坂氏も「プレイしている3人の笑顔が最高! このまま練習を積んでいけば、きっと大会にも出られると思いますよ」と絶賛した。

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名だたる6社が威信をかけて臨んだ自動車メーカー対抗戦

 

そして「e-Circuit」のラストを飾るのは「グランツーリスモ真剣勝負・自動車メーカー対抗戦」。スバル、トヨタ、ホンダ、日産、マツダ、三菱という日本を代表する6社がそれぞれチームを結成し、耐久レースに臨む。『グランツーリスモSPORT』にはプレイヤーが好みのマニュファクチャラ―(ブランド)と契約し、その代表ドライバーとなってシーズンを戦うオンライン対戦モード「FIA GT マニュファクチャラーシリーズ」が用意されているのだが、本物の自動車メーカーを巻き込んでそれをやってしまおうという試みだ。

 

各チームは「各社が選出したレーシングドライバー」、「各社を代表する社員」、「マニュファクチャラ―シリーズで同社と契約しているトッププレイヤー」1名ずつの計3名でチームを結成し、その順にドライバーを交代しながら鈴鹿サーキットで15周のレースを行う。各ドライバーは最低3周走る必要があり、さらに、タイヤは3人でハード、ミディアム、ソフトをそれぞれ分担しなければならない……というレギュレーションが課された。

 

解説は土屋圭市氏と、『グランツーリスモ』の元アジアチャンピオンにして、今は同シリーズの開発に携わっているYAM氏、実況はフリーの実況アナウンサー・村田晴郎氏が担当。村田氏は今回の実況について「(ゲームの実況はこれまでにやったことがないので)困りましたね。インディ500の実況をする方がまだ気が楽ですよ(笑)。気合いを入れていきます」と意気込みを語った。

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各チームの車種と出場ドライバーは以下の通り。レーシングドライバーのコメントとともに紹介していこう。

 

◆スバル/WRX Gr.3

森宏志氏(スバルテクニカインターナショナル株式会社取締役開発本部長)

新井敏弘氏(JRCドライバー)

T.MIYAZOO(グランツーリスモSPORTトップドライバー)

 

新井:まったく畑違いですが、三菱にだけは負けないようにがんばりたいです。

 

◆トヨタ/GR Supra Racing Concept

多田哲哉氏(トヨタ自動車株式会社GR開発統括部チーフエンジニア)

脇坂寿一氏(TOYOTA GAZOO Racingアンバサダー)

T.YAMANAKA(グランツーリスモSPORTトップドライバー)

 

脇坂:この3日間、コソ練(こっそり練習)してきました。でも、YAMANAKA選手にタイムを聞いてみたらまだ数秒差がありました……。

 

◆日産/GT-R GT3 Schuize MortorSports

福永洋輔氏(日産自動車株式会社日本マーケティング本部ブランド&メディア戦略部)

柳田真孝氏(NISMOアンバサダー)

R.KOKUBUN(グランツーリスモSPORTトップドライバー)

 

柳田:昨日まで韓国にいたのですが、寿一さんがコソ練していると聞き、ひとつ早い便で帰ってきて練習しました(笑)。アジア・オセアニア選手権のチャンピオン(KOKUBUN選手)がいるので心強いです。

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◆ホンダ/NSX Gr.3

山本雅司氏(本田技研工業株式会社部長)

牧野任祐氏(株式会社マーヴェリックパートナーズレーシングドライバー)

S.SUGIMORI(グランツーリスモSPORTトップドライバー)

 

牧野:今日は朝10時に会場入りしましたが、寿一さんがすでに練習していました。さっきは柳田さんと一緒にどうやって僕を落とすかの作戦会議をしていたし、どうなるのかすごく心配です(笑)。

 

◆マツダ/Atenza Gr.3

板垣勇気氏(マツダ株式会社商品戦略本部商品ビジネス戦略企画部横浜先行商品企画グループアシスタントマネージャー)

加藤彰彬氏(PCRジャパン代表者レーシングドライバー)

S.RYU(グランツーリスモSPORTトップドライバー)

 

加藤:先週に急遽PS4を購入して、チームで練習会を開きました(笑)。ハンドリングに優れるマツダ車のよさを活かして、よい結果を出したいなと思います。

 

◆三菱/Lancer Evo.Final Gr.3

百瀬信夫氏(三菱自動車工業株式会社EV・パワートレイン技術開発本部チーフテクノロジーエンジニア)

奴田原文雄氏(ラリードライバー)

S.YOSHIDA(グランツーリスモSPORTトップドライバー)

 

奴田原:ダートが好きなので、すぐコースから飛び出しちゃうんですよね……。YOSHIDA君の指導でしっかりコース上を走って、特にスバルには負けないようにしたいです(笑)。

 

レースは、ファーストドライバーがホンダ、続いてスバル、日産、三菱、トヨタ、マツダの順でスタート。第一コーナーでスバルがいきなりトップのホンダをおびやかすも、ホンダはそのままトップを維持。トヨタ、マツダ、日産が熾烈な2位争いを繰り広げ、その間にホンダは着々とリードを広げていく。

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LAP4を超えると、スバルを皮切りに日産、トヨタらがピットインしてドライバーチェンジ。社員ドライバーも各社の重鎮やスペシャリストが名を連ねるとはいえ、さすがにゲームですばらしい走りまではそうそう見せられない。中盤戦は複数のチームでコースアウトやスピンが目立ち、大荒れの様相を見せた(見ている方はそれがまた楽しいのだが)。

 

2位のスバルはLAP6で再びピットインし、最速でプロドライバーのT.MIYAZONOにチェンジ。スキのない走りで、ホンダを抜いてトップを走るマツダとの30秒もの差をグングンと縮めていく。トヨタ、日産、三菱が熾烈な3位争いをしていたこともスバルには追い風になり、LAP10を迎えるころにはその差は約6秒にまで縮まった。

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レースが最終曲面に入るとトヨタ、三菱、日産の3車が三つ巴を保ったまま2位のスバルに肉薄。首位のマツダもじゅうぶん射程圏内という息もつかせぬ展開を見せるが、トヨタのドライバー、T.YAMANAKAが三菱、日産の猛追を食い止めながら走り続けてきたことで「スープラのタイヤがタレている(摩耗してグリップ力が落ちている)」と土屋氏が指摘。トヨタはその懸念通り、最終ラップのシケインを曲がり切れずに大きくスピンして最下位に転落。最後までドラマチックな展開を見せたレースはマツダ、スバル、日産、ホンダ、三菱、トヨタの順で決着した。

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最後に山内氏は「モータースポーツを楽しめる人はかぎられますが、このように多くの人が楽しめるのがe-Motor Sportsの魅力です。本作を制作しはじめたときから「スポーツとは何なのだろう」とずっと考えていました。そうして出た答えは「することで自分が輝き、人も輝き、興じる選手も見ている観客もみんながハッピーになれる」というものでした。それをこの3日間で再確認できました。ぜひ、みなさんも本作で対戦してみてください」と語り「e-Circuit」は幕を閉じた。

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プロのレースドライバーがリアリティを追求したゲームで実車さながらの走りを見せ、自動車メーカーの社員たちがときにハプニングを起こし、ゲームを熟知したe-Motor Sportsのトッププレイヤーたちがハイレベルな熱戦を繰り広げる……ピットイン時のドライバー交代で各チームの見どころが次々に切り替わるため、30分におよぶレースもあっという間。終わってみれば、観客をいかに楽しませるかがしっかり考えられたレースだった。

 

とことんリアルを追求しているがゆえに、観客が"ゲームならではのルール"を理解する必要なく楽しめるのも、モータースポーツをモチーフとした『グランツーリスモSPORT』ならではの強み。すっかりエキサイトした土屋氏は山内氏に「(メーカー対抗戦を)ワンシーズンに1回くらい開催してほしい」と懇願していたが、多くの観戦者が同じ思いを抱いていたのではないだろうか。

 

ライフスタイルの変化などさまざまな要因により若年層になかなか新車が売れない昨今、自動車メーカーたちは苦境に立たされ続けている。この「e-Circuit」がそれを解消する一手になるかは今後次第だと思われるが、e-Motor Sportsが"観戦のハードルが低く、楽しみやすいesports"であったのは間違いない。今後の展開にも期待したい。

 

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