“GGGP 2019”『機動戦士ガンダム バトオペ2』大会レポート―鮮やかな引き際で観客を沸かせた「たぴおかみるくぅてぃーねくすぅと」が優勝賞金を勝ち取る

2019.10.28

“GGGP 2019”『機動戦士ガンダム バトオペ2』大会レポート―鮮やかな引き際で観客を沸かせた「たぴおかみるくぅてぃーねくすぅと」が優勝賞金を勝ち取る

2019年で40周年を迎えた人気アニメ「機動戦士ガンダム」。そのシリーズ作品を題材としたゲームを種目とした賞金付き大会“GGGP 2019(ガンダムゲームグランプリ2019)”が、先日8月24日(土)、25日(日)に開催された“C3AFA TOKYO 2019”の会場で行われた。

 

昨年(2018年)開催の第一回大会時は『機動戦士ガンダム 即応戦線』と『機動戦士ガンダム エクストリームバーサス マキシブースト ON』が競技種目だったが、今年は『機動戦士ガンダム バトルオペレーション2』と『機動戦士ガンダム 戦場の絆』に。

 

本稿では『機動戦士ガンダム バトルオペレーション2』の大会の模様をレポートする。なお、『機動戦士ガンダム 戦場の絆』についても別記事でアップ予定だ。

■熱帯砂漠の高台を巡る攻防

 

本大会のルールは6on6のチーム戦となり、使用機体のコストは400まで。優勝チームには賞金90万円(1人15万円)、準優勝チームには42万円(1人7万円)、3位チーム(2チーム)には賞金24万円(1人4万円)が与えられる。ステージについては「墜落跡地」「無人都市」「熱帯砂漠」のいずれかがランダムで選ばれる。

 

当日は朝の10時30分から開催されていたこの大会だが、数多くの出場者のなかから準決勝に勝ち進んだ上位4チームは、「たぴおかみるくぅてぃーねくすぅと」「ブラッディ・インフェルノPrk」「豚の生姜焼き定食」「ぽぽ丸水産」となった。

準決勝に残った4チームのリーダーが意気込みを語っていくと、みなここまで残ったからには優勝したいと決意を語っていた。そうして始まった第1試合の対戦カードは、「たぴおかみるくぅてぃーねくすぅと」VS「ブラッディ・インフェルノPrk」で、マップは熱帯砂漠に決定。

 

なお、準決勝からは対戦ルールが「エースマッチ」から「ベーシックマッチ」に変更となったため、歩兵の活躍や拠点爆破などの攻防がみどころに。

 

熱帯砂漠は遮蔽物はあまりないが、砂丘の起伏の使い方が重要になってくる。加えてマップ中央“Eポイント”の高台を確保できるかどうかも勝敗を別けるポイント。試合が始まると両チーム一目散にこの地点へ向かうが、激しい攻防の末「たぴおかみるくぅてぃーねくすぅと」が確保。

 

本大会の試合では、両チームともにブルーディスティニー2号機やブルーディスティニー3号機、ヒルドルブが編成されていることが非常に多かったが、それは今回の対戦でも共通。序盤の攻防でも大いに活躍していた。

高台を確保したことによって優位を確保した「たぴおかみるくぅてぃーねくすぅと」側だが、対する「ブラッディ・インフェルノPrk」のガンナーガンダムが、マップの起伏を活かして精度の高い狙撃を見せていた。

 

そうして「ブラッディ・インフェルノPrk」は牽制を繰り返し、高台に潜む「たぴおかみるくぅてぃーねくすぅと」のモビルスーツたちが迎撃に出てきたところを急襲。一時「ブラッディ・インフェルノPrk」がスコア差を逆転。一進一退の攻防が続く中、「たぴおかみるくぅてぃーねくすぅと」がこのタイミングで選択した戦術は拠点爆破。

 

自軍モビルスーツが撃破されながらも敵拠点内に潜み爆弾を設置した「たぴおかみるくぅてぃーねくすぅと」。「ブラッディ・インフェルノPrk」側のパイロットが爆弾の解除に向かうものの、すぐには脱出していなかった「たぴおかみるくぅてぃーねくすぅと」の歩兵がそれを迎撃する。そうして解除できないと確信したところで脱出し、この時点で残り時間はあとわずか。

見事拠点爆破に成功した「たぴおかみるくぅてぃーねくすぅと」がポイント差も逆転すると、全員で一気に撤退。これに追いすがる「ブラッディ・インフェルノPrk」だが、制限時間に阻まれあえなく敗退。決勝戦への駒を進めたのは「たぴおかみるくぅてぃーねくすぅと」となった。

 

敗退後のコメントで「ブラッディ・インフェルノPrk」側のプレイヤーたちは、直前までポイント差で勝っていただけに悔しさをにじませており、自分たちも拠点爆破を狙っていればなど、反省点を多く述べていた。

 

■開幕からEXAMシステム発動という波乱の展開に

 

続いての「豚の生姜焼き定食」VS「ぽぽ丸水産」の準決勝第2試合でも、やはりブルーディスティニー2号機やブルーディスティニー3号機の活躍が目立つことに。先ほどの第1試合からEポイントの高台の争奪戦は目立っていたが、なんと開幕から「豚の生姜焼き定食」の選手がEXAMシステムを発動させる、波乱の展開が巻き起こった。

その乱戦を制したのは細かく数的有利を取れるよう連携していた「ぽぽ丸水産」。ここで大量リードを獲得すると、「豚の生姜焼き定食」の面々がリスポーンしてくるまでに、自身の操る機体を修理する光景が見られた。

 

しかしこれで終わらないのが「豚の生姜焼き定食」。「ぽぽ丸水産」の部隊が待ち構える高台に奇襲をかけ、スコア差を徐々に徐々に詰めていく。両チームのポイント差がたった50ポイントとなったところで、「豚の生姜焼き定食」側が少しだけリードを獲得。

 

だが「ぽぽ丸水産」も負けじと追いすがり、再びリードを奪い返した。すると互いに拠点爆破を狙う一幕が。これによって両軍ともに大量にポイントを獲得できる逆転の手が無くなると、最後は再び乱戦が勃発。最終的に「ぽぽ丸水産」がリードを守りきり、決勝戦の対戦カードが「たぴおかみるくぅてぃーねくすぅと」VS「ぽぽ丸水産」に決定した。

 

■「たぴおかみるくぅてぃーねくすぅと」の鮮やかすぎる引き際

 

一度休憩を挟み、決勝戦では再び「エースマッチ」にルールが変更。さらに試合形式が3本制となり、先に2本先取したチームが勝利となる。対戦前のインタビューでは緊張した様子を見せていた両チーム。なんと互いに練習試合を行ったことがあるそうで、その際は「ぽぽ丸水産」が勝ち越していたのだとか。

 

負け越している「たぴおかみるくぅてぃーねくすぅと」側も自分たちが敗北した試合の分析を行っており、負ける時は1wave目を取られてしまっていたことは突きとめており、勝ちに行くためにも1wave目を取られないようにしたいと話していた。

第1試合のマップは「墜落跡地」。解説によるとこのマップは、『機動戦士ガンダム バトルオペレーション2』初期から戦場になってきたマップであり、どちらのチームも有利不利はなく戦えるとのこと。ポイントとなる戦場は中央付近の溝となる。もちろん今回の試合でもブルーディスティニーは大活躍。両チーム共に編成されていた。

 

試合が始まると、解説コメント通り中央付近の溝を挟んでジリジリと戦線を押し上げていく両チーム。そうして開戦の口火が切られ両軍入り乱れての乱戦に

 

ここでリードを獲得したのは「ぽぽ丸水産」。1wave目を取られないようにする対策通りの展開になったが、戦場が細い山道へと移っていく。ここでエースが選出されると、いよいよ試合は終盤戦。

 

「たぴおかみるくぅてぃーねくすぅと」はこの大差を、敵機の撃破ポイントが多く加算されるエースに敵機を撃破させることで取り返していく。もちろん「ぽぽ丸水産」側も同じ考えなのでその差は中々埋まらないが、残り時間1分を切ったところでまさかの展開が。

 

なんと最後に起きた乱戦時にそのまま試合終了の時間になったのだが、その際に「ぽぽ丸水産」側の画面に“エースが撃破された”との文字が。なんと「たぴおかみるくぅてぃーねくすぅと」が逆転しており、1本目を制した。最後までリードを守り切っていただけに、この結果を受けた「ぽぽ丸水産」の選手たちの表情が苦いものに変わっていた。

 

残り30秒でひっくり返す劇的な勝利を達成した「たぴおかみるくぅてぃーねくすぅと」がこのまま優勝となるのか、それとも「ぽぽ丸水産」が奮起して取り返すのかといったところで、2試合目の戦場は「無人都市」。

第1試合に引き続きアグレッシブに攻める「ぽぽ丸水産」が、序盤のリードを獲得。自分たちのペースに「たぴおかみるくぅてぃーねくすぅと」を巻き込んでいく。しかし自分たちのほうがリードを奪われているにも関わらず、あまり積極的に攻めない「たぴおかみるくぅてぃーねくすぅと」。

 

これに不穏なものを感じ取った「ぽぽ丸水産」側も様子を伺う試合運びに変更。両軍ともにエース選出前に自拠点で機体の修理を行い、万全の状態でエース選出を待つことに。それまで不気味な沈黙が続きギャラリーも静まり返る中、ついに訪れたエース選出の時間。

 

お互いのエースがブルーディスティニー3号機(「たぴおかみるくぅてぃーねくすぅと」)とブルーディスティニー2号機(「ぽぽ丸水産」)に決定したところで、いよいよ「ぽぽ丸水産」側拠点付近で総力戦の火蓋が切って落とされた。

先に仕掛けたのは「たぴおかみるくぅてぃーねくすぅと」側で、狭い拠点付近に追い込まれた「ぽぽ丸水産」側のモビルスーツたちは、次々エースのブルーディスティニー3号機に落とされていった。そして残り時間30秒を切り4000P近いスコア差が出来たところで、「たぴおかみるくぅてぃーねくすぅと」側のメンバーが一気に撤退。そのままタイムアウトとなり、優勝は「たぴおかみるくぅてぃーねくすぅと」となった。

 

優勝者インタビューで、なんとこの試合運びが打ち合わせ通りだったことを明かした「たぴおかみるくぅてぃーねくすぅと」。引き際を見誤らない鮮やかすぎる展開だっただけに、会場は大いに湧いていた。

表彰式では特別ゲストとして、ガンダムシリーズファンにアムロ・レイ役として知られる声優の古谷徹が現れ、「たぴおかみるくぅてぃーねくすぅと」の面々を地球連邦軍に入隊しないかと勧誘する一幕も。

 

『機動戦士ガンダム』のゲームを種目として大いに盛り上がるGGGP。来年はどのゲームが選ばれるかはわからないが、今後も注目してほしい。あわせて2日目の『機動戦士ガンダム 戦場の絆』大会の模様も要チェックだ。

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