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ゲームの最速クリアを競う!Real Time Attackの魅力をRTA in Japan主催者に訊いた

2019/12/26

esports port編集部

己の技術を向上させる、アイテムをコンプリートするまで集める、クリアを目指す──など、ゲームには様々な楽しみ方がある。そのなかのひとつ、ゲームの最速クリアを競い合う遊び方が「Real Time Attack(RTA)」だ。

 

今回は、RTA in Japanを主催するもかさんは島根にご在住。今回のイベントのために上京されていたところでインタビューを実施。
日本ではまだ馴染みの薄いRTAについて、楽しみ方や魅力、挑戦してみたいプレイヤーに向けたメッセージを訊いた。


年末に開催される「RTA in Japan」というイベントは、2016年から今回で4回目を迎える、日本では一番有名なRTAのイベントである。

今年も、12/27~31日に24時間、秋葉原のハンドレットスクエア倶楽部で開催される。100人入る会場は既に80名ものプレイヤーの方が参加予定となっている。

 

──まずは、自己紹介をお願いします。

 

RTA in Japan主催のもかと申します。2歳の頃よりゲームを始めており、ゲームを早くクリアするという遊び方を知ったのは小学生の頃でした。それから20年近く経過した今でも、短時間でゲームをクリアすべく日々楽しんでいます。小さい頃よりRPGが好きだったため、RTAに取り組むゲームもRPGであることが多いです。

──ご本人はどのようなゲームをプレイされますか?

10年前にSpeed Demos Archiveというサイトで、ヴァルキリープロファイルというタイトルを100%クリアしたら50ドルの報奨金を出すというフォーラムを見つけ、
クリアして動画を送ったところ、内容に感動され、倍額の100ドルをもらったことがあります。

▼RTAの楽しみ方や魅力、挑戦へのアドバイス

──RTAとは、具体的にどんなことをするのですか?

 

RTAとは『Real Time Attack』という和製英語の略で、ゲームを実時間でどれだけ早くクリアできるかを競う遊び方です。実時間で早くクリアしなければならないというのが単純なタイムアタックと異なる点で、RTAでは休憩時間やリトライする時間も計測時間に含まれます。

 

──挑戦するにあたり、高いハードスペックなどが必要なイメージがありますが、実情はいかがでしょうか?

 

ゲームハードのスペックという意味では、まずコンシューマーゲーム機の場合はハードメーカーによって全て同一のものが販売されます。そのため、製造時期による型番の違いこそあれ、ゲームハードによる差異は基本的にありません。

 

PCゲームの場合ですと、高性能なCPUやSSDを積んでいるほうが有利ではあります。しかし、RTAプレイヤーは自身でゲーム配信を行い、問題ないほどのスペックを持つPCを所持していることが多いことから、それほど障壁にはなっていないのが現状です。

 

──RTAの魅力はなんですか?

 

タイマーさえ付ければ、どんなゲームでもRTAすることができるというのが魅力です。例えば、esportsでしたらゲームタイトルに限りがあり、ノベルゲームといったようなゲームをe-Sportsタイトルとして挙げるのは難しいでしょう。これがRTAだと可能となっており、ノベルゲームのRTAは数多く存在しています。

 

またRTAは本当に自由なので、ゲームクリアではなく一定のスコアに達するまでを競うものをRTAとしたり、変わったものでは最速でゲームをクラッシュさせるまでを競うものまであります。

 

──RTAを視聴するときの楽しみ方を教えてください。

 

記録集積サイトに登録されているだけでも1万を超える数のゲームがRTAとしてプレイされていますが、この中には自分が過去にプレイして好きだったゲームも必ず入っているはずです。まずは自分の好きなゲームでRTAが行われていないかを探してみて、あるなら是非それを視聴してみてください。過去に自分がプレイして苦戦した場面があっという間にクリアされるというのは、新鮮な発見になると思います。

 

──今から挑戦したいという方に向けて、おすすめのゲームはありますか?

 

まずは自分が過去にプレイしたことがあり、既にプレイヤーが存在するゲームのRTAに挑戦してみるのがいいでしょう。先人のプレイはこれから自分でRTAを行う上での道標となりますし、過去にプレイしたことがあるなら改めてゲームを知り直す必要がありません。

 

逆に難しいゲームとしては、RTAプレイヤーが存在せず早くクリアするための戦術を自分で開拓していくしかないゲームでしょうか。実際にプレイを始める前にどうすれば早くゲームを進められるのかを調べる必要があるため、既にプレイヤーがいて早くクリアするための方法が確立されているゲームと比べると初心者には難しいです。

 

なお、本当にRTAを極めるなら既にプレイヤーが存在するゲームでも早くクリアするための戦術を改めて考え直し、最適化を求めていくことが必要です。



▼RTA in Japanの現状について

──日本ではどのようにRTAが楽しまれていますか?

 

競技のように1フレームを短縮すべく取り組んでいるプレイヤーもいますが、カジュアルに自分の好きなゲームをのびのびと楽しんでいるプレイヤーもいて様々です。

 

──海外との違いはありますか?

 

海外と比べると、日本はコンシューマーゲームのRTAを行う方が多い印象です。コンシューマーゲーム機を出しているのは日本のメーカーであることが多いことが関係しているかもしれません。

 

──RTAの日本における現状について、課題に感じている部分はありますか?

 

日に日に新規プレイヤー数も視聴者数も増えてきていると感じていますが、RTAの記録を動画として残すためには、コンシューマーゲーム機のRTAでもある程度のスペックがあるPCがほぼ必須です。そのため、最初からハイスペックPCを持っている人はいいとしても、新規に始めたい方には少し敷居が高いのではと思っています。

 

──今後どのようにRTAを日本で広げていきたいと考えていますか?

 

自分たちが広げるという立場ではなく、あくまでRTAを披露できる場だけを提供できればと思っています。披露できる場さえあれば自ずとRTAが盛り上がっていくとの考え方です。

▼コミュニティーイベントを主催することについて

──イベントを始めたきっかけを教えてください。

 

海外では、日本に先駆けてRTAのオフラインイベントが数多く開催されており、特にアメリカの『Games Done Quick (GDQ)』は同時視聴者が十数万人に達するモンスター級のイベントとなっています。

 

そんなGDQですが、実は日本のRTAプレイヤーが昔から参戦しています。さらに、日本のRTAのレベルは非常に高いことから、日本のプレイヤーの渡航費を寄付で募っていただけるくらいのものとなっています。

 

日本のプレイヤーのために寄付を募ってまでRTAを披露してもらうことを熱望されているのに、日本でRTAを披露するイベントが皆無だったことが非常にもったいないと長年感じており、何とかできないかという想いがイベントを始めた最初のきっかけです。

 

──このイベントには日本からも参加する人はいるのでしょうか?

RTAJapanの方もスタッフとして参加して、運営など勉強して帰ってきています。

 

──開催してどのような喜びがありますか?

 

喜びというよりは、RTAを披露できる場が日本にも作れて良かったなというのが正直な感想です。

 

──コミュニティーでのイベントをやりたいと思っているゲーマーに向けてひと言お願いします。

 

コミュニティーでイベントを行う上で最もいい点は、何から何まですべて自分たちで決定できるということです。RTA in Japanでは、配信レイアウトでも絶対にカメラ映像をゲーム画面に被せることはなく、かつゲーム画面から一番遠い場所に置いています。さらにカメラ映像もプレイヤーを映してはいますが、正確に言うと映しているのはプレイヤーを含めた会場の様子なのでプレイヤーをフォーカスしていません。

 

プレイする場所も周りと区切ることはなく、すぐそばに解説がいることがも多く、さらに観客の席からプレイヤーのいる位置まではほとんど離れていません。これがe-Sportsのイベントを行っている方からすると非常に奇異に映るらしいのですが、RTAプレイヤーからするとカメラ映像はおまけで、ゲーム映像を中心に見てもらうというのは何より重視すべきことなのです。さらに普段のRTAでも視聴者の反応を見ながらプレイしている方が多く、視聴者との距離を取ってしまうほうが違和感を感じてしまいます。

 

このような配信レイアウト、プレイ環境を整えられたことは、コミュニティー主導でイベントを開催しており、プレイヤーの気持ちがわかっているメンバーがイベントに携わったからこそ実現できたことです。

 

コミュニティーでイベントを行うと、どうしても企業主催などのイベントと比べるとクオリティが落ちてしまうと思うかもしれません。しかし、自分たちですべてを決定できるというのは、それだけプレイヤー目線でイベントを開催できるということでもあります。今後も企業主催と差別化を図り、コミュニティー主導だと何が良くできるのかを考えてイベントを主催していただきたいと思います。

 

──ありがとうございました。

 

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年末の5日間をゲームで過ごすという夢のようなイベントだ。お昼過ぎから夕方までは観客も多く集まるとのこと。無料で見学もできるようなので足を運んでみてはいかがだろうか。

当日は配信も行われるようなので、公式ページをぜひチェックしてもらいたい。

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