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【後編】東大阪市の小学校でJTBコミュニケーションデザインがプログラミング出張授業を開催

【後編】東大阪市の小学校でJTBコミュニケーションデザインがプログラミング出張授業を開催

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9月7日・8日・28日に、JTBコミュニケーションデザイン(以下「JCD」)が、東大阪市の小学生に向けてプログラミングの出張授業を行なった。

 

JCDは2021年度より「プログラミングスタジアム」を実施している。

小中学生がスクラッチを活用してゲームやアニメーションを制作・応募するコンテストだ。
2023年度は、プログラミングスタジアムの開催に合わせて、全国14箇所で無料の出張プログラミング教室を実施している。
https://jcdpgstadium.jp/

 

本記事では、9月8日に行なわれた布施小学校での出張教室で生徒たちが作った作品のうち、特に筆者が注目した作品を2つレポートする。

前編記事はコチラ

 

①猫ピッチャーからホームラン!

 

まず1作品目はこちら。

ピッチャーの猫から、バッターがホームランを打つという作品。
作品の要素としては、
・猫がボールを投げる(ボールがバッターの方に移動する)
・バッターがバットを振る
・ボールがスタンド側へ飛んでいく
という3つで成り立っている。

 

アニメーションとしてはよくあるものかもしれないが、これを小学4年生がプログラミングで制作しているというところが驚きだ。

 

制作手順はこうなる。
・作りたい映像を決める
・構成するパーツを決める(今回の場合、背景のスタジアム、ピッチャー、ボール、バッター)
・その中で、動かすものを決める(今回は、ボールとバッター)
・動かす順番を決める(今回は、ボールが動く→バッターが動く→ボールが逆方向に動く)
・「〇秒後にボールが動く」「この座標までボールが動く」等、細かい条件設定をする

 

全体をイメージし、要素を構成していくITネイティブ世代には脱帽である。

 

②サメがコロッケを食す!?

 

2作品目はこちら。

サメとコロッケが対峙し、
サメ「おいしそう」
コロッケ「コロッケおいしいよ」
という会話があった後に、サメがコロッケを食べてしまうというもの。

 

サメがコロッケを食べた瞬間、クラスからは歓声が上がった。

 

この作品も非常にユニークだ。
というのも、「サメがコロッケを食べる」という映像を実現するための要素分解が実に秀逸で、
・サメとコロッケが近づく
・コロッケを消す
という形で実現している。

 

「食べる」と聞くと、「口の中に入れて、咀嚼をして、・・・」という連想をしてしまうが、「単に、コロッケがサメに近づいて、その後でなくなれば、食べられたように見えるのではないか」という発想をしているのだ。

 

固定観念にとらわれず、目的志向で取り組む姿に、これまた脱帽である。

 

授業の最後に、立候補制で生徒が自身の作品を発表する形であったが、実に10人以上の生徒たちが名乗りをあげ、プレゼンテーションしていた。

限られた時間でプログラミングに取り組めるITリテラシーの下地、指定されたテーマからの自由な発想、発想を実現するための論理的な思考回路、そして、プレゼンテーションに対する積極性。何をとっても、「今の小学生、すごいな」と思わされる授業であった。

 

更に、プログラミング教育の価値も再認識した。
目的志向の考え方、論理的思考能力、物事をシンプルにする力、等々、様々な力が養われる。将来、皆がエンジニアになるわけではないが、このような基礎力の修得のために、プログラミング教育は非常に有効である。

 

そして、その学びの入口も重要だ。
算数を教えるのに、いきなり因数分解を教えたところで大多数の生徒がつまずいてしまう。
まずは基本的なところから易しくかつ楽しく教え、誰にでも間口を開きながら生徒のモチベーションを高めていく必要がある。

 

今回の出張プログラミング授業はまさしくそれらを体現したものであった。

 

現場の先生からも、「生徒がイキイキと楽しんでいた。テーマが設定されたうえで自由な発想を生かすことができるというのが、子供たちのインスピレーションが湧いてよかった」と好評であった。

 

この授業で作った作品は、現在開催中の第3回「プログラミングスタジアム」にも応募が可能で、授業の最後にはその告知がされた。
大賞の賞品が5万円分の商品券だと発表されると、クラスからは歓声が上がった。

難しい技術は必要なく、大事なのは、基礎的な力と少しの工夫である。
授業を見学した1人の個人として、もっともっとこの活動が広がれば、と強く感じる2時間だった。

 

 

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